
以前訪れた「HOURS(アワーズ)」さんでおすすめのお店を伺ったとき、名前が挙がったのが「居酒屋PAL」さんでした。
「焼売がおすすめですよ。」
その一言が気になり、今回訪れることに。
白楽駅西口から歩いてすぐ。カウンターを中心とした落ち着いた店内では、ご近所の常連さんが思い思いの時間を過ごしていました。
蒸し料理のおいしさはもちろんですが、このお店の魅力はそれだけではありません。
「今度はどんな発見があるんだろう。」
そんなワクワクを胸に、また訪れたくなる居酒屋でした。
毎日違うから、おもしろい

まずいただいたのは、この日の「本日の温ポテサラ」。
蒸したじゃがいもを注文が入ってから潰し、この日はナポリタン風に仕上げられていました。
新じゃがとさつまいものねっとりとした食感に、トマトソース、玉ねぎ、ピーマンが合わさることで、本当にナポリタンを食べているような味わいに。
「ポテトサラダでこんな表現ができるんだ。」
そんな驚きがありました。
代表の菅 優二郎さんに伺うと、前回はタコス風だったそう。
「今日は何かな」と楽しみに訪れる常連さんが多い理由が、早速少し分かった気がしました。

続いていただいたのは、おすすめの「本日の焼売」。
この日は「豚軟骨と青のりしらす」の焼売でした。
一度に100個ほど仕込み、なくなればまた違う焼売を作るそうです。
そのままでも十分おいしいのですが、味変でついてくる自家製の塩レモンソースがお気に入り。
レモンの皮、ねぎ、生姜を合わせた爽やかな薬味で、ほんのりとした苦みが焼売の旨みを引き立てます。
話を聞いていると、「レモンチェッロみたいなイメージですね」と菅さん。
ジャンルにとらわれず、さまざまな発想を自然と料理に取り入れているのも、PALらしい魅力だと感じました。
「これだけで飲める、これだけ注文したい」というお客さんがいるという話にも納得のおいしさでした。

「豚軟骨のトウチー蒸し」も外せません。
中国ではスペアリブを使うことが多い料理ですが、PALでは軟骨ソーキを使用。
軟骨がとろとろになるまで蒸し上げられ、発酵黒豆・トウチーのコクがじんわりと広がります。
ビールが思わず進んでしまう一皿でした。
料理だけじゃない、お酒にも新しい出会い
「豚軟骨のトウチー蒸しには何が合いますか?」
そう聞くと、菅さんから返ってきた答えは即答で「ビールですね」。
実際に合わせてみると、トウチーのコクをビールがすっと流してくれて、ついもう一口と箸が進みます。

「ほかのお酒なら?」と聞くと、おすすめしてくださったのが、日本酒の「Ice Breaker(アイスブレイカー)」でした。
京都・木下酒造が夏季限定で販売している日本酒で、氷を入れたロックでも楽しめる一本。氷が溶けていくにつれて温度やアルコール度数が変わり、味わいの変化を楽しめるのも特徴です。
「Ice Breaker」という名前には、英語で「場や雰囲気を和らげるもの」という意味もあるそう。
お酒を囲んで会話がほぐれていく様子を思うと、なんとも日本酒らしい名前です。
菅さんによると、つい最近旅した鹿児島では、芋焼酎をソーダで楽しむスタイルが今では主流。
ソーダ割りを意識してつくられた焼酎も多いそうです。
日本酒にも、従来の飲み方にとらわれず楽しめるものがあり、「Ice Breaker」もそのひとつ。
あまり日本酒慣れしていない私は、「日本酒に氷?」と少し驚きましたが、飲んでみると軽やかで、確かにトウチー蒸しとの相性も抜群。
PALでは、新潟でも限られた地域でしか流通しない日本酒を扱うこともあり、お酒選びまで楽しませてくれます。
さらにこの日は、元町のJapanese Tea Bar & Select Shop「no count」さんとのコラボイベントで提供した焼売も特別にいただきました。
新茶と岩のりを合わせてお茶で蒸し、わさびを添えた一品です。
先ほどの焼売とはまったく違い、一口目からお茶の香りがふわっと広がる味わい。
「焼売って、こんな表現もできるんだ。」
料理を味わうだけでなく、新しい組み合わせに出会える時間も、このお店ならではでした。
二人の経験が重なって、PALへ

菅さんは、もともとイタリアンから飲食の世界へ。
横浜ビール、焼き鳥店、燻製と鴨を扱うお店、野毛のアジアン料理店など、さまざまなジャンルで経験を積み、その系列のバーの立ち上げから関わる中で、焼売と出会いました。
独立を考えた当初は、長く働いた野毛での開業も考えていたそうです。
ですが、観光地として賑わう街よりも、地域の人が普段使いできるローカルな場所でお店を開きたいという思いがありました。
「商店街がある街がよかったんです。」
そんな時、以前からつながりのあったHOURSの藤田さんに白楽を勧められ、この街での開業を決めました。

そしてPALを一緒に営む林さんとは、菅さんが20代前半の頃に働いていたダイニングバーで出会いました。
林さんがお客さんとして通うようになり、同い年ということもあって仲良くなったそうです。
2024年、林さんが独立を考え、勤めていたお店を退職することが決まったタイミングで、先に独立に向けて動いていた菅さんに声をかけたことから、二人でPALを始めることになりました。
現在は、菅さんが主に経理や事務作業を担当。
それ以外は大きく役割を分けず、料理や接客、お店の方針なども二人で相談しながら決めています。
これまで経験してきたお店や料理、接客のタイプが違う二人だからこそ、お互いの経験を取り入れながらお店をつくっているそうです。
「飽き性だから」生まれる、今日だけの味

「飽き性なんですよ。」
そう笑う菅さん。
だからこそ、蒸し料理を軸にしながらも、本日の焼売、本日の温ポテサラ、日本酒まで、日々少しずつ変化を加えています。
「居酒屋なら、いろいろできるから。」
旅行先で出会ったお酒を仕入れたり、珍しい日本酒を探したり、知り合いのお店とコラボイベントを開いたり。
ジャンルに縛られず、新しいものを取り入れながら、自分の経験を料理やお酒に生かしていく。
だからPALには、訪れるたびに新しい楽しみがあります。
「今日は何があるんだろう」と、次に訪れるのが楽しみになる。
そんな変化も、このお店の魅力です。
白楽で、ふらっと立ち寄れる一軒

店内はカウンターを中心とした落ち着いた空間。
この日は二人で訪れましたが、一人でも気兼ねなく過ごせそうな雰囲気です。
お客さんは30〜50代を中心に男女半々ほど。
白楽や六角橋のご近所さんのほか、歩いて帰宅できる妙蓮寺や反町あたりにお住まいの方、野毛時代から菅さんを知る方も訪れるそうです。
PALが目指しているのは、一度来て終わりではなく、二度、三度と足を運んでもらえるお店。
Instagramのフォロワー限定メニューを用意しているのも、また訪れてもらうきっかけづくりのひとつです。
駅からすぐで、一人でもふらっと立ち寄れる。
その気軽さの中に、訪れるたびに違う料理やお酒との出会いが待っているのも、PALが地域の人たちに親しまれている理由なのかもしれません。
あとがき

料理も、お酒も、その日だけの出会いがありました。
好き嫌いが多く、普段はポテトや唐揚げなど食べ慣れたメニューを選ぶことが多い同行者も、「おいしいし、楽しい」と繰り返すほど。
きっと次に訪れたら、焼売もポテトサラダも、日本酒も違うものに変わっているはず。
「今日は何があるんだろう。」
そんな楽しみを持って帰れるのが、居酒屋PALの魅力なのかもしれません。
居酒屋PAL
住所:横浜市神奈川区白楽100-11 のれん会第1ビル 2F
アクセス:東急東横線白楽駅から徒歩1分
TEL:045-900-9444
営業時間:15:30〜23:00
定休日:不定休
分煙(加熱式たばこ限定)・席料200円
Instagram:https://www.instagram.com/izakaya_pal
おすすめシーン:一人飲み/友人との飲み/仕事帰り
次回予告
最後に白楽周辺でおすすめのお店を伺うと、これまでご紹介した「HOURS」さん「大衆酒場トヨサト」さんをはじめ、「燻製酒場 one’s」さん「PAWSOME」さん「UPPERS」さん「キツネノアトチ」さん「キッチン友」さんなどなど、いくつもの名前が挙がりました。
「食べたいものに合わせてお店を選べる。絞るのが難しい…」
そんな菅さんの言葉を聞いて、改めて白楽は美味しいものに困らない街だと感じました。
おすすめいただいたお店を今後も巡ります。

この記事を書いたひと
あお
ビールとキャンプが好きな、自称ミーハーOL。
西日本育ち。
ご近所 港北区から六角橋エリアへ足を伸ばし、街の魅力を発信します。


