
白楽駅から歩いて5分ほど。旧綱島街道沿いを歩いていると、大きな窓から、和気あいあいと過ごす人たちの姿が見えてきます。
今回訪れたのは、2026年1月1日にオープンした「燻製酒場one’s(わん)」。
前回「居酒屋PAL」さんでおすすめいただいたお店の一つです。
燻製料理とお酒を楽しめるお店ですが、カウンターを囲む人たちを見ていると、魅力はそれだけではなさそうです。
まずは、燻製料理と一杯

店内に入ると、さっそく燻製の香り。
この日のお通しは「しいたけの肉づめ」。
ハンバーグのようなボリュームとジューシーさで、すきっ腹に嬉しい一品。
せっかくなので、料理担当のかおりさんにおすすめを聞きながら、気になるメニューをいくつかいただきました。


まずは「蕩ける燻製明太ポテサラ」。
燻製した明太子とマヨネーズのまろやかさが心地よく、お酒が進みます。
続いては「酒粕ラザニア」。
マッシュポテトに酒粕を合わせた、コクのある一皿です。

最後にいただいたのは「スパイス唐揚げ 燻製タルタル」。
大山鶏の唐揚げに自家製の燻製タルタル。ガツンとしたメニューでもしっかりとした燻製の香りを楽しめ、大満足でした。
お酒はビールと「燻製梅ウォッカ」を。ほかにも「燻製レモンサワー」や「燻製コークハイ」など、燻製を使ったお酒が揃います。
燻製した梅やレモンをお酒に漬け込んでいるそうで、ひと口飲むと、しっかり燻製の風味が感じられます。
ゆっくりお酒を楽しみたい夜にもぴったり。
お酒だけでも、ついつい長居してしまいそうです。
そこに燻製料理を合わせれば、もう一杯、もう一品と、自然と杯が進みます。
気づけば、カウンターは満席に

訪れたのは19時ごろ。
最初は一人だったカウンターに、少しずつ人が集まり、20時ごろには満席になっていました。
「今日は〇〇さん行ってきたんですか?」「お久しぶりです、覚えてますか?」
そんな会話が自然に飛び交います。
この日は大学院合格を祝う場面もあれば、「今日は六角橋ナビの取材らしいから、お店のいいところ話して」と笑う人も。
店主のこうすけさんやかおりさんとお客さんだけでなく、お客さん同士もつながっている。
その光景が印象的でした。
「わんは社交場としての力がピカイチ」

取材中、常連さんに「わんってどんなお店ですか?」と聞いてみました。
「社交場としての力、わんはピカイチ」
その言葉に、この店の魅力が詰まっている気がしました。
初めて訪れたときは満席で2回入れず、3回目でようやく入れたという常連さん。
反町方面から通ううちに知り合いが増え、
「道を歩けば挨拶だらけ。地元に根付いた感じがする」
と話してくれました。

「ふたりの雰囲気がいいから、集まる人もやさしい」
そんな言葉も。
実際、こうすけさんと街を歩いていると、お客さんを見つけては手を振る姿も。
「挨拶のつもりでやってるだけだから、入らなくてもいいです」
と笑うこうすけさん。
そんな何気ないやりとりが、六角橋の街に少しずつ顔見知りを増やしているのかもしれません。
料理やお酒がおいしいことはもちろん。でも、ここに来ることで人とのつながりが増えていく。
それが、わんらしさなのかもしれません。
「楽しく働く」ことから始まった店

オーナーのこうすけさんは宮城県出身。
大学進学をきっかけに神奈川へ来て、そのまま暮らすようになりました。
子どものころから「いつか自分のお店をやりたい」と思っていたそう。
大学卒業後は横浜の酒屋に勤める傍ら、クラフトビールを扱う「CRAFTSMAN」でも働き、そこで料理担当のかおりさんと出会いました。
「なんで飲食店の人って、楽しそうじゃない人もいるんだろう」
そんな疑問から、自分でお店をやったら分かるかもしれない、と考えたこともきっかけの一つ。
ふたりが大切にしているのは、「楽しく働く」ことです。
かおりさんは神奈川県生まれ。
もともとは医療関係の仕事をしていましたが、コロナ禍に「みんなの居場所がなくなった」と感じ、いつか人が集まれる場所をつくりたいと思うようになったそうです。
まずは「間借り」から

現在の六角橋で店を始める前は、約1年間「ハクラクモッキ」で火曜・水曜に間借り営業をしていました。
もともと六角橋に縁があったわけではありません。
間借り先を探しているときに、たまたまハクラクモッキさんがテナントを募集していることを知ったのだとか。
実際に営業してみると、飲み歩く人も多く、飲食店同士のつながりもある六角橋。
「ここでやりたい」と思える街だったと話してくれました。
「煙(0)」から「one’s(1)」へ

ふたりが以前やっていたのが「燻製バル煙(えん)」。
いわば「0番目」のお店で、そこから現在の「one’s(1)」へ。
「one」には、こうすけさんとかおりさん、一人と一人という意味も込められています。
そして「one’s」は英語で「〜の」という所有を表す言葉。
ふたりにとっての自分たちのお店でありながら、訪れる人にとっても「ここは自分の居場所」と感じられる。
そんな意味にもつながっているように思います。
メニューも「楽しく」変わっていく

わんのメニューは、ずっと同じではありません。
かおりさんは「自分が作り飽きたり、常連が食べ飽きたら変える」と話します。
以前は厚切りだったハムカツも、今はミルフィーユ仕立てに。
「毎日違うから、おもしろい」
そんな感覚が、料理にも表れているようです。
六角橋で、人から人へ

わんでは、お店の中だけでなく、六角橋の街でも人のつながりが広がっています。
六角橋商店街のヤミ市では、燻製チーズなどの限定メニューを用意。
扉を外して、立ち飲みスタイルで楽しむこともあるそうです。
さらに、こうすけさんはイベント好き。
10月のヤミ市では常連さんがDJを担当したり、別の常連さんとのつながりから落語のイベントを企画したり。
お店を起点に、人から人へ。
「楽しくやる」ふたりの姿勢が、いつの間にか周りの人を巻き込み、街の楽しみにもつながっているようです。
わんのふたりに聞いた「六角橋で次に行くなら?」

最後に、こうすけさんとかおりさんに六角橋のおすすめを聞いてみました。
名前が挙がったのは、
これまでこの連載企画でも訪れた「居酒屋PAL」さん、「HOURS」さんのほか、「餃子M」さん、「キツネノアトチ」さん、「もつ焼 和ちゃん」さん、「El Bar De Nico」さん、「すきもの」さん。
なかでも、かおりさんが教えてくれた「もつ焼 和ちゃん」の「アブラ串」が気になりました。
茹でて、とろける直前くらいまで柔らかくしてから、炭火で焼くのだそう。
「脂っこくないんですよ」
その言葉を聞くと、次に行ってみたくなります。

取材を終えてから、私は別のお店へ。
すると、そこにいたのは、ついさっきまでわんにいた常連さん。
「また会いましたね」
六角橋では、そんなことが本当に起こります。
おいしいものを食べに行く。
お酒を飲みに行く。
そして、誰かに会いに行く。
そんな一軒が、六角橋にあります。
今日を楽しく終えたい日に。
「白楽で飲もう」と思った日に。
燻製酒場one’s(わん)で、一杯いかがでしょうか。
燻製酒場one’s(わん)
住所:横浜市神奈川区六角橋1-11-20
アクセス:東急東横線白楽駅・東白楽駅から徒歩約5分
営業時間:16:00〜23:00
定休日:不定休
Instagram:https://www.instagram.com/one_s2525
※3名以上の場合はDMで予約
おすすめシーン:ひとり飲み/友人との飲み/はしご酒

この記事を書いたひと
あお
ビールとキャンプが好きな、自称ミーハーOL。
西日本育ち。
ご近所 港北区から六角橋エリアへ足を伸ばし、街の魅力を発信します。

