
こんにちは。永沢です。
みなさんお馴染みの「六角橋」という地名。
「橋」と付いていますが、今の六角橋には、それらしい橋は見当たりませんよね。
地名の由来にはいくつかの説があり、そのひとつに「かつてこの場所に橋が架かっていたから」という説があります。
では、もし橋があったとしたら、そこにはどんな川が流れていたのでしょうか。
今回は、今もまちに残る川の痕跡を探して歩いてみました。
六角橋の地名の由来

六角橋の地名の由来として、よく知られているのはふたつの説です。
ひとつは、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が使った「六角の箸」に由来という説。
横浜市市民局発行の『横浜の町名』でも、宝秀寺に残る元禄8年(1695年)の記録をもとに、この説が紹介されています。
一方、かつてこの地に架かっていた橋が六角形の材木で造られていたことから「六角橋」と呼ばれるようになったという説もあります。
もし橋があったのなら、その下には川が流れていたはず。
ただ、今の六角橋を歩いても、川は見当たりません。
そこで今回は、かつてこの地域を流れていた滝の川に注目しました。
上流の水源から、六角橋、東白楽、さらに下流へ。
現在のまちに残る橋の名前や橋跡、緑道などを手がかりに、かつての川の姿を探して歩いてみました。
まずは滝の川の水源へ

今回の散策は、滝の川の水源とされる場所からスタート。
向かったのは、片倉うさぎ山公園です。
現地の案内板によると、滝の川の水源は周辺にある6つの溜め井といわれ、片倉うさぎ山公園内の湧き水もそのひとつなのだそうです。
また、滝の川という名前は、かつて権現山(現在の幸ケ谷公園周辺)から流れ出た水が、滝となって川に落ちていたことに由来するという説も紹介されています。
普段、六角橋周辺で暮らしていると、この辺りに川が流れていたということ自体、なかなか想像できません。
ここから先は、地名や橋跡、緑道などに残された痕跡を追っていきます。
「日枝橋」という名前に、かつての橋を想像する

昔の川筋を参考に、滝の川が流れていたと思われるルートをたどると、「日枝橋」というバス停を発見。
現在、そこに大きな橋が架かっているわけではなく、所在地は神大寺です。
どうやらかつてこの辺りには、「日枝橋」という橋があったようです。
「境橋跡地」に残る、はっきりした痕跡

今回の散策で、最初にはっきりと川の痕跡を見つけられたのが「境橋跡地」です。
場所は、先ほどご紹介した宝秀寺のすぐ近くを通る「六角橋緑の小径」。

現地には、「六角橋遊歩道」と刻まれた石柱が残る一方、案内板には「六角橋緑の小径」と書かれています。
「杉山大神と六角橋緑の小径」の案内板には、かつてここに滝の川が流れていたことや、橋跡の看板が残されていることが紹介されています。

住宅街の中を通る細い道ですが、かつて川が流れていた場所だったのですね。
今では緑や季節の花に囲まれた小径として親しまれていますが、こうして昔の川の痕跡を見つけられるのも面白いところです。

ここからさらに滝の川をたどって、六角橋周辺へ。
昔の地図を参考にすると、六角橋商店街の入り口にある交差点付近を通り、現在のパチンコ店の裏にある路地がかつて滝の川の流れていた場所のようです。

黄色いタイルが敷かれた部分が、かつての川筋にあたるようです。
この道をまっすぐ進むと、住宅街を剥けて東白楽駅の裏手へとつながります。

今では何気ない住宅街の路地ですが、かつてここに川が流れていたと思うと、不思議な気持ちになります。
東白楽駅の裏手へ

六角橋周辺を抜け、さらに下流へ向かいます。
続いて訪れたのは、東白楽駅の裏手。
ここも、かつて川がながれていた場所が緑道として整備されていて、川の名残がわかりやすい場所です。
「滝の川せせらぎ緑道」で、川が見えてくる

そして下流へ進んでいくと現れるのが、滝の川せせらぎ緑道です。
ここは、東白楽駅から神奈川区役所まで、かつての滝の川の上に整備された緑道です。
現在は水路や緑のある散歩道として親しまれています。

緑道には「石橋跡」も残されており、かつてここに川と橋があったことを目で見て確かめることができます。

ここまで来ると、それまで名前や痕跡だけを頼りに追ってきた滝の川の存在が、少しずつ実感できるようになります。
かつての川の空間が、今も緑道としてまちの中に残されているのですね。
さらに下流へ。今も水が流れる滝の川

さらに下流へ向かうと、暗渠(あんきょ)になっていない滝の川へとたどり着きます。
暗渠とは、川や水路にふたをしたり、地下に通したりしたもののこと。
横浜銀行アイスアリーナの向かい辺りからは、地下を流れていた滝の川がついに地上から見られるようになります。
ここでは、これまで地下に隠れていた水の流れを、実際に目で見ることができます。
さらに川をたどっていくと、滝の川についての説明板も見つけました。

今も川は流れている
今回、滝の川をたどってみて面白かったのは、川が完全に消えてしまったわけではないということでした。
場所によっては暗渠となり、道路や住宅地の下を流れています。
また、かつての川筋が緑道として整備されている場所もあります。
橋そのものがなくなっても、「境橋跡地」のように名前や記録が残る場所も。
こうした痕跡を探しながら、かつてのまちの姿を想像するのも楽しいものです。
さらに、滝の川の支流のひとつ「反町川」も暗渠化され、その痕地の一部は「三ツ沢せせらぎ緑道」として整備されています。
姉妹サイトの「かんだいじナビ」でも、滝の川にまつわるスポット「滝ノ川あじさいロード」をご紹介しています。
また、六角橋ナビでは、のろ猫さんも滝の川の暗渠をたどる散策記事を前後編で紹介しています。
同じ川でも、歩く人や視点が変わると、また違った発見があるかもしれません。
いつも歩いている道にも、まだ知らないまちの歴史が隠れているかもしれません。
かつての姿に思いを馳せながらお散歩してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたひと
永沢
白楽周辺在住の社会人です。
街を歩いて見つけた気になることや、読者の皆さんの暮らしに役立つ情報を、楽しみながら発信していきます。

