「いつかまたJazz D-Roomを」白楽で始まった、もうひとつの居場所|【Jazz D-Room連載第1話】

ジャズのレコードを持って笑顔でほほ笑むオーナー

白楽駅西口を出てすぐのビル3階にある「Jazz D-Room」。

1950年代から80年代頃までのスタンダードジャズを中心に、約2,000枚のレコードを真空管アンプで楽しめる小さなジャズバーです。

白楽駅前の隠れ家「Jazz D-Room」|真空管アンプとレコードで楽しむ大人のジャズバー

横浜・白楽駅すぐのジャズバー「Jazz D-Room」。真空管アンプとSteinwayピアノで味わうアナログの音と、医師でもあるオーナーが考案した腸活おばんざいが楽しめます。

オーナーは、「よこはま にしかげ小児科・アレルギー科」の院長でもある西影京子さん。

医師として診療を続けながら、金曜・土曜の夜にはJazz D-Roomのカウンターに立っています。

今回は、そんな西影さんの「はじまりの話」を伺います。

音楽がいつもそばにあった

入口の窓から覗くお店のロゴ

西影さんのお母さまは、高校生の頃に兵庫県の独唱大会で優勝したこともある歌好き。

お父さまは詩吟をされていたそうです。

幼い頃から、耳元にはいつも歌声がありました。

西影さん自身も高校生の頃から、サンタナやアース・ウインド&ファイアーなどの音楽に夢中に。

その後、子育て中に医師を目指し、三重県名張市の病院で研修医生活を送りながら、小さなジャズ喫茶を営むようになります。

その店の名前も「Jazz D-Room」。

現在の白楽のお店につながる、最初のJazz D-Roomでした。

「私も歌いたい」から始まったジャズボーカル

歌う西影さん1

お店では月に一度、プロのミュージシャンによるライブも開催していました。

そこで歌うプロのシンガーに憧れ、

「私も歌いたい」

と思った西影さん。

ところが、最初の音程テストでは「音が全部外れている」と言われてしまったそう。

それでも諦めません。

名張から往復6時間をかけ、週に一度のボイストレーニングへ。

それを1年半続けました。

ボイストレーニングを経て、バンドマスターの中尾先生から最初に出された課題曲が、ナタリー・コールの「Route 66」でした。

「誰でも歌える曲だから」

そう言われて、「へえ、そんなもんか」と思った西影さん。

CDを聴き、YouTubeでも探して、とにかく聴いたものを真似して覚えていきました。

一か所だけどうしてもリズムの取り方が分からない部分があり、そこをマスターするのには2か月ほどかかったそうです。

ところが後になって中尾先生から、

「あれ、聴いただけですぐ真似しよったから、歌わせてやろうかと思った」

と聞かされたのだとか。

こうして少しずつ曲を増やし、やがてライブでも1、2曲歌わせてもらえるようになりました。

興味を持ったら、とことん。

西影さんらしさが、すでにこの頃から表れています。

横浜でも、いつかもう一度

プロのミュージシャンによるセッションの様子1

横浜でクリニックを開業することになったときにも、

いつかJazz D-Roomを作れたら

という思いは心の中にありました。

ただ、横浜にはプロのシンガーもたくさんいます。

「仮にライブをやっても、私の出る幕はないだろう」

そんなふうにも思っていたそうです。

それでも、コロナ禍を乗り越え、2023年11月。

念願だった「Jazz D-Room」を白楽駅前にオープンしました。

不思議な縁も重なりました。

名張時代にバックで演奏してくれていたドラマーが、いつの間にか神奈川県在住に。

長年付き合いのあるベーシストも東横線沿線に住んでいました。

メンバーが集まり、再び音楽が動き始めます。

「歌、練習せえへんの?」

壁にディスプレイされたたくさんのレコードとプレイヤー

横浜でJazz D-Roomを始めてからのこと。

ある日、西影さんが厨房で洗い物をしていると、ステージでリハーサルをしていたバンドから声が飛んできました。

歌、練習せえへんの?

エプロンを外し、厨房からステージへ。

震える手でマイクを握ったそうです。

こうして横浜でも、西影さんは再びジャズを歌うようになりました。

もちろん、ステージに立つのはプロのミュージシャンたち。

西影さんは、

「私は素人だから、プロのバンドマンに歌わせてもらえるだけで有りえないこと」

と話します。

自身が歌う場合も、バンドには一曲ごとに演奏料をきちんと支払っています。

ちなみに、西影さんが歌うときのライブは投げ銭制。

投げ銭はもちろん歓迎なのですが、バンドマスターの中尾先生は、どうやらこのスタイルがあまりお好きではないそう。

プロの演奏家への敬意を忘れず、それでも「歌いたい」という気持ちは諦めない。

そんな西影さんらしい距離感で、今もジャズボーカルを続けています。

医師として働きながら、週末にはカウンターに立ち、ときにはマイクを握る。

「Jazz D-Room」は、西影さんの長い音楽との付き合いの先に、もう一度生まれた場所なのです。

次回は、西影さんと「白楽」という街について伺います。

Jazz D-Room

住所:横浜市神奈川区白楽100-5 白楽コミュニティプラザビル 3階

アクセス:東急東横線白楽駅 西口の目の前

営業時間:19:30~23:00

営業日:金曜日・土曜日のみ

※水曜日・日曜日はスタジオレンタル(要予約)

※セッションは月1開催

入店チャージ:大人1000円/学生500円

Instagram:https://www.instagram.com/jazz_d_room/

LINE:https://line.me/R/ti/p/@629qkraq

ホームページ:https://jazz-d-room.com/

おすすめシーン:一人飲み/二軒目/仕事帰り

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